どうも。僕です。
前回の続きです…
後輩Kが先輩さんの拠点に、理由は聞かされずに応援に行くことを命令されていたことで確信した僕…
近々に先輩さんが会社を去ることを、暗に示している出張命令だ。
そのことをYくんに伝えるべく、僕は携帯を取り出しYくんにダイアルした。
Yくんも…
僕「もしもし…」
Yくん「おつかれ!なんかわかった?」
僕「あぁ、わかっちゃったね…」
Yくん「実はこっちもなんだ」
僕「?!」
Yくんも別の筋から話を聞いたらしい…僕はまず後輩Kとのやり取りをYくんに説明した。Yくんは僕の説明を最後まで聞き、その後に話し始めた。
Yくん「いや、実はさ…Hさん(違うエリアの先輩)に聞いたんだけどさ…」
僕「Hさんが何か言ってたの?」
Yくん「ちょっとカマかけてみたら、あっさり先輩さんが不正をして会社の金を抜いてるって、直ぐに口を割ったんだよ…」
僕「はぁぁぁ?口軽すぎだろwww」
Hさんは悪い人ではないのだが、イマイチぬけていて実力はそこそこあるのに出世できずにくすっぶっているタイプの男だった。
Yくん「これで間違いないな」
僕「あぁ、間違いない…あとは監査室がいつ先輩さんの拠点に行くかだな…」
Xデーまであと〇〇日
Hさんが口を割ったせいで、先輩さんの不正の件は瞬く間に各社員に知れ渡った。
先輩さんを慕う者、そうでない者、満遍なく知れ渡ることによって、誰も先輩さんに連絡をする者がいなくなった。
それまでは、仕事のアドバイスをもらうために先輩さんを頼って、電話なりを定期的に入れていた者でさえ、全く不自然なくらいに先輩さんに連絡をしなくなったのだ。
それは僕も含めてだ。
そんな時、先輩さんから僕に電話が来た。
先輩さん「おつかれ!」
明るい声色が胸に刺さる…!
僕「オツカレサマデス…」
僕はなるべく普通を装うことを努力したが、どうしても心臓がバクバクして上手く装うことが出来なかった。まさしく小心者だ。
先輩さん「どう?」
僕「な…なにがですか…?」
先輩さん「仕事だよ」
僕「あ〜、そうですね…!順調です(汗)」
先輩さん「そうか。ならいいけどさ。なんか、最近誰も連絡してこないんだよ」
僕「!!!!」
流石に先輩さんも異変に気がついてるようだ。それもそうだろう。みんなあからさまに先輩さんを避けているんだ。
先輩さん「そっち(のエリア)でなんかあったの?なんか聞いてる?」
僕「いや、僕は何も聞いてませんね…(ドキドキ)」
核心をついてくる先輩さんの質問に、僕は動揺して慌てていたが、なるべく平静を装ってそう答えた。
先輩さん「……そうか(棒)」
今思い返せば、この時の先輩さんのリアクションは何か含みがある不自然なものだった。
そしてこの時、もしかすると先輩さんは、自分が犯したやましいことに対して会社の手が迫っていることを察知して、僕に探りを入れてきたのかも知れない。
先輩さん「わかったわ。なんかあったら連絡してくれ」
僕「はい。わかりました(出来るわけねーだろ!)」
そう言って僕は電話を切った…
やましいことをやっている人間は、ちょっとした変化にも敏感に反応するものだ。自分のやっていることに罪の意識があれば尚更だ。
もし先輩さんが自分のことに気がついていたとすると、このXデーまでの何日間は非常に辛かったと思う。
死刑執行を待つ囚人のような気持ちだったかもしれない。
しかし、自分のしたことには責任を取らなければならない。特にルールを大きく犯した行為に対しては。
この電話の数日後Xデーは訪れた…
つづく…
ということで、本日も読んで頂きまして本当にありがとうございます!それでは次回またお会いしましょう!
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