どうも。僕です。
前回の続きです…
売上金紛失事件も実質お咎め無しで、社内はしばらくすると沈静化していった。
今考えれば、喉元すぎれば暑さ忘れるで済ましてはいけないことだと思うのだが、その当時は先輩さん人気の方に軍配が上がり、口にする者はほとんどいなかった。
そんな先輩さんに転勤の話が持ち上がった。
新規拠点の立ち上げのための転勤
大きな売上が見込めそうな新規拠点立ち上げのために、先輩さんが抜擢されたのだ。
見方によってはキャリアアップの栄転。
過去に売上金を紛失している人間に、何故このような待遇が用意されたのかに異を唱えるものはいなかった。
先輩さんも、当然と言わんばかりにその話を受けていた。それほどまでに増長していたのだ。
そして、その増長に拍車をかけていたのが、僕のような後輩たちだった。売上金を紛失したことなど、まるで無かったかのように先輩さんを崇めていたのだ。
今考えれば、先輩さんを崇拝することで、彼は神輿から降りることが出来ずに暴走していったのかもしれない。
いわば、先輩さんが破滅の道を辿るはめになった責任の一端は、僕達のような崇拝する後輩たちにあったと言っても過言ではないと僕は考える。
今回の新規拠点立ち上げをなんとか成功させ、キャリアアップを何としても実現したい。そんな気合がヒシヒシを先輩さんからは感じられた。
そんな折、プライベートでは…
先輩さんの転勤先は地方であったため、今までのように一緒に遊ぶ機会が減るので、最後に沢山遊ぼうということになった。
遊ぶと言っても、先輩さんが望むもの、先輩さんの遊びとは”女”であった。
僕は他ならぬ先輩さんの要望とあって、友人のツテを使って、転勤する前の約1ヶ月間に数回に渡り飲み会をブッキングした。
正直そんなことをする暇があったら、自分に彼女が欲しいのにだ。しかも、その時先輩さんにはすでに4人の彼女が居たのにだ!
そのような飲み会を開催している時、ある地方銀行の女性たちとお酒を飲む機会があった。
その女性たちは4人組で飲み会に来てくれたのだが、その4人のうち2名の女性が少しクセのある感じの女性だった。
一人はわりとお歳を召した自己主張が強く、場を仕切りたがる、ややぽっちゃりの女性。
そして、もう一人は少し控えめなルックスで、伏し目がちの影のある女性だった。しかも左手首には何故か包帯が巻いてあった。
会食は進み、そこそこ場も盛り上がり、良い飲み会であったのだが、その日は2次会もなく解散した。
その帰りしな…
僕「先輩さん、今日来てた包帯の子…」
先輩さん「あぁ、間違いないな」
僕と先輩さんの見解は同じだった。おそらくリスカ痕だろう。
先輩さん「一応連絡先は聞いておいたけどな」
僕「!!」
この人どこまで貪欲なんだ。しかもそこに行くなんて…いや、連絡先を聞くことはマナーなのか?そういうマナーを守れないから僕はモテないのか?
そんな会話をしながら、僕と先輩さんもその日は解散となった。
その後しばらくして、先輩さんから携帯に連絡が入った。
先輩さん「お疲れ」
僕「お疲れ様です」
先輩さん「〇〇銀行の〇〇ちゃん(包帯の子)と付き合ったから」
僕「は?」
先輩さん「あと、もう一人のぽっちゃり子いたろ?あの子とも付き合った」
僕「…マジっすか…」
先輩さん「あぁ、これで彼女が6人だ」
この日替わり弁当のような布陣が先輩さんの理想形らしい。こうして、先輩さんは6人の彼女を街に残し、地方へと旅立って行った。
つづく…
ということで、本日も読んで頂きまして本当にありがとうございます!それでは次回またお会いしましょう!
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