どうも。僕です。
今回から新シリーズの始まりです。
この話は僕の親友が13年間に渡り、様々な犠牲を払い野望を達成する姿を僕視点で書きたいと思います。
出会い
奴とは18歳の時、大学で出会いました。
僕は地元のすぐ近くにある大学に進学したので同じ高校の友人や、友人の友人という知り合いがいたので、学校に馴染むまでには時間が掛からなかった。
しかし、僕はなんとなく自分の置かれる環境を変えたくて、新しい友人を作ろうと考えていた。
だが、僕は基本的に小心者で誰かに声をかけるなんてことは出来ない。
声をかけたところで、僕はこの頃からすでにこじらせていたので、素直に友達になってください!なんてことは口が裂けても言えない。
ナメられないように虚勢を張って、微妙な距離感の”知り合い”になるのが関の山だ。友達になるなんて夢のまた夢。
そんな悶々としていたある日、僕は奴と出会った。
僕が通っていた大学には、テラスと名付けられた喫煙所があった。なぜそのようなただの休憩所がテラスと名付けられていたのかはわからない。
夕方講義が終わり、僕は友人がいないかテラスに行った時、奴は一人で椅子に腰を掛け何かを読んでいた。
奴が同じクラスにいるのは認識していたが、なんとなく近寄りがたい雰囲気で、しかも誰かと喋っているところも見たことがなかったので、僕は少し苦手意識を持っていた。
さらに奴は端正な顔立ちで、女にモテそうな感じがしたので劣等意識が強く、被害妄想癖がある僕にとっては敵とみなしてもよい存在。モテそうな男は大嫌いだ。
なにスカして一人で読んでんだよ!友達でも待っているのか?お前が誰かと話しているところなんてみたことねぇぜ!
目障りだから、さっさと帰れ!カスが!
と、心の中で僕の劣等意識が猛威を振るっていたが、小心者の僕がそんなことは言えるわけもなく、スルーしようと思った次の瞬間に、あろうことか僕は奴に話しかけていた。
ファーストコンタクト
僕「なに…読んでるの…?それって…」
奴は睨みつけるようにギロリと眼球を動かし、僕の目を見た。
奴「これか…これは、布袋(寅泰)のスコア(楽譜)だ」
僕「やっぱり!ちらっと見えたんだ!ワイルド(アルバムの名前)のスコアだろ!それ!」
僕は興奮気味に答えた。
奴「そうだぜ」
えっ…?そうだぜ?…”ぜ”?
ま…まぁ…いい…!僕は中学生の頃から布袋が大好きで、特にコンプレックスのCDは擦り切れるほど聞いていた。
更に、高校生の頃はお小遣いを叩いて、布袋のライブなんかにも行くほどの布袋ファンだった。
そして目の前にいる、このいけ好かない野郎も布袋ファンであることは間違いない…
布袋が神なら、コイツが読んでいるこのスコア(楽譜)は聖書みたいなものだ。その聖書を学校にまで持ち込むなんて…なんて信仰心なんだ…
…
…
…
嗚呼…友達に…なりたい…!
しかし、なんて言って友達になる?コイツが誰かと話しているところは見たことがない。つまり、どんなノリで話せば良いのか全く検討がつかない。
でも、この瞬間を逃したら一生後悔する。コイツと友達にならなければ一生後悔する。
僕はなぜか分からないが、そんな思いに強力に駆られた。
僕は絞りだすような声で、こう言った。
僕「ほ…布袋…好きなの…?」
クソ…なんてベタで、話の展開が望めない一言なんだ!これだから僕はダメなんだ!
奴は神妙な面持ちで、すこしトーンの低い声でこう答えた。
奴「命…」
僕「…」
…
…
…
えっ?えっ?えーっっ!!!どっちだ?!どっちなんだ!?
ギャグか??いや、学校にスコアを持ち込むくらいだから、ガチの可能性もある!!どう返せばいいんだ!!
つづく…
といことで、本日も読んで頂きまして本当にありがとうございます!次回またお会いしましょう!
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