どうも。僕です。
連載再開です。前回はこちら。
初ライブを終え、ライブを観ていた僕はいくつか気になった点があった。
まず、ヤツの使っているギターだ。当時ヤツはフェルナンデスの布袋モデルを使っていた。
良いギターなのだが、当時のバンドのイメージにはそぐわない。そして、ドラムとボーカルの質。
ドラムは、ポンポンポンポンとスネアを叩いているだけで音に厚みがない。ボーカルは甲本ヒロトの物まねレベルで聞くに堪えない…
ベースはバンドの正式メンバーではないという。
ヤツが加入する以前に比べると格段にかっこ良くなっているが、まだまだ課題が多いのも事実。
そして、そのことをヤツ自身が一番感じていたに違いない。
そんな折、僕が母にお使いを頼まれた時にヤツが今後のバンド活動で使うギターと運命的な出会いを果たす。
せ…西友…
当時の僕は実家住まいで、時折母のお使いで近所の西友に買い物に出掛けることがあった。
その西友には「玉光堂(ぎょっこうどう)」というCDショップがテナントとして入居していたのだ。
普段新譜をチェックするのは中学生時代から、この玉光堂で頻繁に西友に行くたびに必ずチェックをしていた。
僕はいつものように玉光堂に入り、新譜をチェックしているとレジの中にギターが飾ってあるのを見つけた。
ん?こんなに前にきた時にあったかな?よく見ると値段が付いていて、25000円と書かれている。
僕は店員のおっさんに聞いた。
僕「これ…売り物ですか?」
おっさん「そうですよ。知り合いのギターを委託で売っているんです」
そんなこともやってるんだ…ということは中古か。そして、そのギターをよく見てみると、フェンダーのムスタングだった。
僕「あっ!これムスタングですか?」
おっさん「フェンダージャパンだけどね」
フェンダーというギターのブランドには日本製の物とアメリカ製のフェンダーUSAが存在する。
僕はヤツの事を思い出した。
僕「これ、取り置きとかできます?」
おっさん「知り合いから委託でやってるから、取り置きは出来ないんですよ」
僕「分かりました。ありがとうございます」
僕はそう言って、店を出た。そして、早速ヤツに連絡した。
翌日
ヤツに連絡をした翌日、僕は車を持たないヤツを迎えに行き西友に向かった。
玉光堂に直行し、店員のおっさんにお願いをして、早速ヤツがギターを確かめた。
僕「どうよ?」
ヤツ「…」
僕「これだろ?お前の欲しがっていたムスタングって?」
ヤツ「…買うわ」
そう言ってヤツはそのギターを購入した。
その後、僕はしばらく仕事が忙しくヤツのライブを観る事が出来なかったのだが、数ヶ月後久しぶりにヤツのライブを観る機会を作る事ができた時の事である。僕は驚愕した。
その日もカウンターアクションというライブハウスでの公演だった。
ヤツがムスタングを持って入場してくる…
ギターをアンプに接続し、ドラムスティックでのカウントが行われ1曲目が始まった。
…
…
…
…
あれ…ギターの音の馬力…しょぼくなってる…
あれ…あれ…なんで…
ライブが終わりヤツに話を聞いた。
僕「なんか…ギターの音…枯れてない…?」
ヤツ「おう…でもこれが良いんだ」
ヤツはそう答えたが、僕にはわかった。ヤツは僕が気にすると思ってそう言ったのを。
ヤツは普段めちゃくちゃな事をしたり、ドがつくほどSなのだが、こういうときはすこぶる気を遣う優しい心を持っている。
その後、僕に気を遣ったかどうかはわからないが、しばらくライブでのメイン機に僕が引き合わせたギターを使い続けた。
バンドはその後、技術の高いベース奏者も正式加入し、ヤツが全面的に編曲に参加するようになり楽曲のレベルアップも著しくしていった。
順調にキャリアを積み重ねていったのだ。
つづく…
といことで、本日も読んで頂きまして本当にありがとうございます!次回またお会いしましょう!
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