どうも。僕です。
前回の続きです…
先輩さんの不正が発覚したその日、僕はYくんと一緒に先輩さんに会いに行った。
先輩さんは自分の処遇を自らの口で語り、僕達に伝えた。
気まずい雰囲気に包まれたが、強メンタルなYくんは先輩さんが一体いくらの不正をしたのか、空気も読まずに平然と聞きやがった。
一瞬で空気は凍りついた。
先輩さんの告白
Yくん「で、いくらやったんスか?」
僕「!!」
先輩さん「!!!」
先輩さんは一瞬たじろいだが、その後おもむろに話し始めた。
先輩さん「〇〇(先輩さんの拠点の従業員の名前)っていたろ?」
僕「あの若い女の子ですよね」
僕は先輩さんの受け持つ新規拠点の立ち上げ時に、応援で従業員教育を手伝ったので、なんとなくだが覚えていた。
先輩さん「あいつが、かなり会社の金を抜いていてな」
僕「マジっすか!(ってかあんたもだけどな!)」
先輩さん「少し前にクビにしたんだけど、その分が(従業員による不正)かなりあったんだ」
僕「それについては監査もわかってるんですか?そいついくら抜いたんですか?」
先輩さん「まだわからんが、これから詳しく調べる事になってる」
僕「そうなんですか」
Yくん「…で、いくら…」
先輩さん「俺は5万だけだ」
5万?5万円だと?
いやいや、それは嘘だろうよ…5万なわけがない。証拠はないが、以前会社の売上金60万パクったのもアンタだろ?
それに、これだけ派手に女遊びをして、好きなだけ洋服買って、ギャンブルしまくっているアンタが5万しか抜かないなんて計算が合わない。
僕は瞬時にそう思った。
そして、その瞬間からこんな状況で嘘をついてまで、つまらんプライドを守ろうとする先輩さんのことが本当に悲しく思えた。
僕「5万です…か…?」
先輩さん「あぁ、5万だ」
嘘だ。なぜそこまでして隠すんだ…アンタがそんなだと、僕はこれ以上アンタと付き合えない。
そして、そんなんだから神輿から降りられずに、無理をしておかしくなったんじゃないか?
ここはもう腹を割って正直に話そうぜ?誤ちを犯したことは会社に弁済して、解雇になることで責任が取れるんだ。
その為の処罰だろうよ…
僕はこれからの事を話したいんだ。
僕「いや、ちょっと待ってくだ…」
僕がそこまで言いかけると、横にいたYくんが先輩さんに見えないように僕の服を引っ張った。
僕「?!」
僕はYくんの方を見ると目で合図をしている。
Yくん「…(それ以上はやめて差し上げろ)」
Yくんは全てを悟ったように目で合図をした。そういうことなんだ。これで終わりだ。という意味だ。
僕「…そうですか…わかりました…」
僕は絞りだすような声でそう言って、諦め押し黙った。
先輩さんの遠吠え
その後、先輩さんは何故か饒舌になり、めちゃくちゃなことを言い始めた。
先輩さん「まぁ、でもこれで良かったのかな。こんな会社にいても先がないし」
僕「はぁ…」
Yくん「そうですか」
先輩さん「あぁ、この仕事も極めた感あるし、もういいかな」
なんて言い草だ…そんな言葉が出ることに僕は嫌悪感を覚えた。
そして、そうこうしてるとインターフォンが鳴った。おそらく他の後輩が来たのであろう。
先輩さんが出ると後輩たちではなく、先輩さんの拠点の従業員達が押しかけてきていた。
聞こえてくる声を聞いていると、3、4人来ているようだ。話の内容を聞こうとして聞き耳を立てていると、とんでもないことが聞こえてきた。
先輩さん「俺を信じてくれ。俺じゃないんだ。わかるだろ?」
おいおい、あり得ないだろ。
途切れ途切れに聞こえてくる会話の内容から推察するに、不正をしていた従業員の罪を被って解雇になったという主旨の話をしているようだ。
あー。もうこの人だめだな…
つづく…
ということで、本日も読んで頂きまして本当にありがとうございます!それでは次回またお会いしましょう!
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