どうも僕です。
前回の続きです…
ついに訪れたXデー…
僕はその報告を同僚のYくんからの連絡で知った…
Yくんからの連絡
その日僕は通常通り仕事をしていた。昼下がりに携帯が鳴り、Yくんの名前が画面に表示されているのを見て、全てを悟った。
そろそろだと思っていたが、このタイミングでYくんから連絡がくるということはそういうことか…
僕「お疲れ…」
Yくん「お疲れっす!今日、監査入ったって!」
僕「うん…で、どうなったの?」
Yくん「額は確定してない」
僕「そう…」
Yくんが言うには、その日の午前中に監査室の担当者と上司が先輩さんの拠点に入り、諸々の証拠となる書類やレジの記録をチェックしたらしい。
詳細については、本部にあるデータと付きあわせて後日正確な金額を出すのだが、不正をしているのは間違いないということで、先輩さんはその日のうちに拠点から外され自宅待機という措置が取られた。
Yくん「で、今日仕事が終わったら先輩さんの家に行かない?」
僕「えっ?」
Yくん「後輩みんなで先輩さんに会いに行こうって話になってるんだよ。今。」
僕「いや、行かないし。」
先輩さんにあったところで掛ける言葉が見当たらないし、先輩さんだって自分の恥をオープンなものにすることには抵抗があるはずだ。
死体に蹴りを入れる行為にならないか?
僕「普通に気まずくない?」
Yくん「それはあるけど、今までの付き合いを考えたら、ちゃんと話したほうがよくない?」
確かに一理ある。先輩さんとの今後の付き合いについて少し考えねばならない。
先輩さんはどういう形になるかわからないが、会社に対して今回の件の落とし前は付けなくてはならない。
会社のこれまでの前例を考えると、警察には届け出ずに本人もしくは、入社するときにつけた保証人に弁済させることが慣例的に行われていた。
警察に届け出たところで、損害を回収出来るまでに時間がかかり非常に面倒なので、示談にして弁済させるほうがよっぽど賢い選択なのだ。
僕はこの時、会社と示談を成立させ、会社を去った後の先輩さんとの付き合いをどうするのか、正直迷っていた。
順当に考えれば、警察には届け出れば普通に犯罪者になる。そんな人間との付き合いなどもっての外だ。
しかし、もしかしたら本当に魔が差して、ほんの少しだけ悪事を働いてしまったということならどうだろう?
いや、額の問題ではない。そう言ってしまえば身も蓋もない話なのだが、先輩さんの良い部分もたくさん知る者として、当時の僕は一概に割り切ることが出来なかった。
当時の僕は会社に対して、弁済をするんだからそれで終わりでしょ?と考えてしまって、先輩さんに会いに行くことを決断してしまったのだ。
先輩さん次第では今後の付き合いもアリだと考えてしまったのだ。全くなんてバカな考えをしていたんだ…
僕「わかった。仕事を早く切り上げて先輩さんの家に行くわ」
Yくん「了解!現地でね!」
先輩さんの自宅にて…
僕は早々に仕事を切り上げ、高速道路に使い先輩さんのいる街まで車を走らせた。
先輩さんの家を知らない僕は、先輩さんの家を知るYくんと現地で待ち合わせることになっていた。
Yくんと落ち合い、先輩さんの家の前まで先導してもらい現場に到着した。
僕「ここ?」
Yくん「たしかここの2階」
僕「なんて声かける?」
Yくん「まぁ、流れでw」
僕とYくんは階段を上り、先輩さんの部屋のインターフォンを鳴らした。ガチャリとドアが開き憔悴しきった先輩さんが顔を出した。
先輩さん「おぅ…」
僕「お疲れ様です…」
先輩さん「とりあえず入るか?」
Yくん「おじゃましまーす!」
Yくんはいつものテンションで部屋に入っていった。コイツのこういう強メンタルなところが羨ましい…
部屋には他の後輩たちはまだ来ていなかった。
先輩さん「仕事は?」
こっちのセリフだよ…
僕「切り上げてきました」
先輩さん「そうか…俺のこと聞いたか?」
僕「なんとなくは…」
先輩さん「レジの不正操作による金銭の横領行為により懲戒解雇。これが今回の俺にくだされた処罰」
先輩さんは自らの処遇に関して、自らの口で僕達に伝えた。どういう意図があったのかは分からないが、落ち着いた口調でハッキリとそう語った。
僕はかける言葉が見つからずに、押し黙っているとYくんが…
Yくん「で、いくらやったんスか?」
コイツ…軽々しく…当たり前のように聞くYくん…そこはもうちょっとオブラートに包んでいけよ!
一瞬で空気が凍りついた。
つづく…
ということで、本日も読んで頂きまして本当にありがとうございます!それでは次回またお会いしましょう!
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