どうも。僕です。
前回の続きです…
ヤツが共通の友人である「モヒ」のバンドに加入して、本格的な練習が始まった。
僕はヤツの音楽性と、モヒのバンドの音楽性が噛み合わずにバンドとして機能しないのではないか?ということを危惧していたのだが、その不安は一瞬にして吹き飛んだ。
初ライブ
僕はヤツからの連絡を受け、ヤツが加入してからの初ライブを観るように言われた。
ヤツは自信満々の口ぶりで「すげぇモン観せてやるから、絶対来い!」といきり立っていた。
僕は半信半疑であった。
あのクソいけ好かない、ブルーハーツの焼き直しクソバンドが一体どう変わるというのだ?
学園祭レベルの楽曲に、カラオケレベルのボーカル。何をどうしたら「すげぇモン」になるというのだ?
僕はそんな思いを胸に、当時そのバンドが主戦場としていた「カウンターアクション」というライブハウスへと足を運んだ。
ライブハウスの前まで行くと、ヤツとモヒが話をしていた。
僕「よう」
ヤツ「おう!」
僕「どうよ?」
ヤツ「今日のライブはやべぇぞ」
僕「マジかよ?そんなに変わったの?」
ヤツ「まぁ、観てのお楽しみだぜ!」
その後、近況を報告しあって僕は会場に、ヤツは楽屋へと入った。
何バンドか出た後にヤツのバンドの出番が来た。ヤツを見ると布袋モデルのギターを持っていた。
おいおい?布袋モデルだと?いや、確かに良いギターではあるがカウンターアクションのようなゴリゴリの硬派なハコで、そんなギターを使っている奴はいない。
他のバンドはぶっとい音が出るレスポールや、ジャキジャキサウンドのSGのようなやんちゃなギターを使っている。
大丈夫かよ…
しかし、ライブが始まった瞬間にそんなことはどうでも良くなった。まだまだ荒削りではあるが、確実に変化していたのだ。
それまで、クソ面白くもないパンクもどきだったバンドの楽曲は、耽美的なギターロックになっていた。
ほほう…なるほどな…まだまだだが、確かに今までと比べるとかなり良くなっている。たった一人のギタリストでこれほどまでに変化するものなのか。
僕は大いに感心し、ヤツが言っていた「すげぇモン」の意味が少し理解できた。
僕は素人ではあるが、かっこいいものと、そうでないものの区別くらいはつく。このバンドは確実にかっこ良くなっている!
僕はヤツの才能を垣間見た。
帰り道
ライブが終わり、ヤツを家まで送り届けるときにその日のライブのことをたくさん話をした。
とにかく僕はヤツのギターの才能と、アレンジ力に驚愕したことを少ないボキャブラリーで熱弁した記憶がある。
ヤツはニヤニヤしながら、僕のそれを黙って聞いていた。
僕「…でもさ、お前ギター買ったほうがいいんじゃねぇか?」
ヤツ「ああ、今探している」
それまでニヤニヤして黙って聞いていたヤツが、マジな顔つきで口を開いた。
ライブも楽曲も良くなっているのだが、やはりフェルナンデスの布袋モデルでは表現力に限界がある。
なによりヤツが一番気にしていたのだ。
僕「なんか狙ってるギターあるのか?」
ヤツ「ジャズマスターか、ムスタングだ」
僕「カート・コバーンかよww」
ヤツ「おうよw」
ヤツとそんな会話をした数日後に僕は、その後のバンド活動でヤツがメイン機として使用するギターと運命の出会いをするのであった。
つづく…
といことで、本日も読んで頂きまして本当にありがとうございます!次回またお会いしましょう!
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